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レアメタルを用いない新しい燃料電池用触媒デザインを提案
プレスリリース
2024年3月29日
持続可能な発展を実現する水素社会において、燃料電池は中心的な役割を果たすことが期待されています。燃料電池の正極で起こる酸素還元反応(Oxygen Reduction Reaction, ORR)は燃料電池の性能を決定する支配要因であり、その反応効率を向上させる触媒として白金炭素(Pt/C)が用いられています。しかしながら資源制約や地政学的理由、そして高コストであることから、白金(Pt)を用いない触媒が求められていました。
東北大学材料科学高等研究所(WPI-AIMR)のHao Li(ハオ リー)准教授(ジュニア主任研究者)と藪浩教授(主任研究者、同研究所水素科学GXオープンイノベーションセンター副センター長)、北海道大学、及びAZUL Energy株式会社(仙台市、伊藤晃寿社長)からなる研究グループは、高価なPtを用いないM-N-C触媒(注2)の一種で青色顔料として知られる金属アザフタロシアニン誘導体触媒(注3)を合成しました。その触媒活性を水素イオン濃度(pH)に対して系統的に測定し、電場とpHの効果を組み合わせたシミュレーションで性能をベンチマークすることで、実験・理論の両面から高い触媒活性を示すORR触媒の探索指針を見出しました。
本研究成果は、現地時間の3月15日に英国化学会の雑誌であるChemical Science誌のオンライン速報版に掲載されました。
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