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東北大学 産学連携先端材料研究開発センター (MaSC)

プロジェクト

Projects

プロジェクト

非平衡磁性材料の研究開発

代表者氏名・所属部局(機関)名・職名

牧野 彰宏 東北大学未来科学技術共同研究センター 教授

研究の概要

本プロジェクトでは「軟磁性と硬磁性」という対極の事象を内包する非平衡複相材料の新たな特徴を開拓します。前者の研究開発対象は、非平衡磁軟磁性材料の研究により開発され、従来両立が不可能とされてきた高飽和磁束密度と低損失を兼備した超低損失軟磁性材料(以下「本材料」という)であり、社会実装に向けて準備しています。後者は本材料の研究の特徴である超高速原子移動を利用して工業的手法による創製に成功した硬磁性L10-FeNi規則相で、次世代硬磁性材料として期待されています。これらの研究開発により、磁性材料分野の学術的、産業的発展に貢献します。

研究の目的

非平衡磁性材料の研究開発は、先進的磁性材料による省エネルギーを目的とします。
①軟磁性材料の研究開発については、電力損失を大幅に削減することで現在注目されているGaNやSiCで代表される次世代パワー半導体で要求される小型化、高効率化そして高速駆動化を実現する交流磁気特性に優れた磁心材料に本材料の開発をもって応え、電力変換モジュール等の変圧回路や整流回路におけるコイル部品にて変換効率(省エネルギー)の実証を行います。一方、
②硬磁性材料L10-FeNi磁石の研究開発および実証については、詳細な基礎物性、磁気特性を把握し、並行した実用材料の研究・開発を行って、ネオジム磁石の代替えを可能とする硬磁性材料の実用化を目指します。これらナノ結晶の研究成果による省エネルギーおよび代替技術によるレア・アース供給リスクからの解放は、日本、世界の産業・経済・社会の発展に多大に貢献されます。

期待される効果

本プロジェクトにより開発された本材料は、高磁束密度、低電力損失の性能を兼備しています。従来材料から本材料へ置き換えることで、薄帯用途も含めて、電気-磁気変換による電力損失の総量に対し約70%改善が見込まれ、245億kWh以上の省エネルギー効果が計算値として期待されています。この電力は、50万kWhクラスの火力発電所7基分の通年発電量に相当し、CO2排出量換算では、約1400万トンのCO2削減が可能となります。また、L10-FeNi磁石による希土類元素を用いないことによる磁石の価格低減効果を加味すると、経済波及効果は更に莫大なものとなります。本プロジェクトの推進を通じた省エネルギーにより、低炭素社会の実現を加速させることが可能であり、その期待に応えます。

実績

各所での公開セミナー他実施(研究成果の発表)

“Artificially produced rare-earth free cosmic magnet” A. Makino, P. Sharma, K. Sato, A. Takeuchi, Y. Zhang and K. Takenaka, Scientific Reports 5, Article number: 16627/1-8. 20151116.
“Nanocrystalline Soft Magnetic Fe-Si-B-P-Cu Alloys With High B of 1.8-1.9T Contributable to Energy Saving” Makino, A, IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS 48(4), 1331-1335. 20120412.

キーワード

磁性材料、 ナノ結晶合金、 アモルファス合金、 非平衡材料、 L10-FeNi磁石

該当するSDGsへの取り組み

  • 7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
  • 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう

連絡先

E-mail address: nanom*grp.tohoku.ac.jp
*を@に変換してください。
HP URL: https://www.niche.tohoku.ac.jp/?page_id=58

資料

  • 非平衡磁性材料の研究開発
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